話題ですね。FUJIFILMの中判デジタルカメラ「GFX50S」
デジタルバックタイプの高級カメラと比べると、破格の70万円台。Pentaxの645Zと同等の価格帯になります。
事前に製品イメージはチェックしていたのですが、実際にどの程度のサイズ、フォールディングなのか。試したい試したい試したいt
大騒ぎしてたら販売店向けの先行内覧会が開催されるとのことで、行ってきました。
ビューンと一路福岡へ。
6900円でした。なんていい時代なんだ。
空港、至る所が工事中でわけわかりません。
2019年に全面リニューアルオープンだそうです。滑走路付近もかなりの範囲で地面の工事が行われていました。
確かに第一ビルとかノスタルジックな雰囲気(良く言えば)がありましたもん。
開催時間が迫っているので、早速展示会場がある天神へ。
地下鉄で一本です。すげえ便利。
あっという間に会場に到着です。めっちゃ晴れてました。ヒートテック暑い
販売店向けということもあり、業者さんらしき方々ばかり。
どうやら、2月4日、5日には同じ会場で一般公開のようですね。
お触りアリの機会です。触りまくります!
感動の対面。デカッ、、くない?
一番奥の展示台へ近づきます。
一目でスーパーアドバイザーと分かる空気感の方々が居て、「なんだこのロン毛」的な視線も感じるんですがそんなの関係ないです。
これに会いに沖縄から来たんです僕は!!
持って帰っていいですか? すげえカメラマンになった気分
急遽、手持ちのX-T1と並べてみます。
血の繋がりを感じます。(当たり前)
普段メインで使っているNikon D810と比較しても、同等に感じるくらいにコンパクトです。流石ミラーレス。
と言うより、思ったほど筐体のサイズ感が変わらないのがびっくりです。
センサーの大きさ。
うーん。殺してくれ。 デカイってカッコいいですね。
Photokina2016でHasselbladのX1Dを触った時に、ハッセルのお兄さんが「センサーでけえだろ!」としきりに自慢してくるので、悔しくてX-T1のセンサーサイズ見せてやったら「ドントクライ」って爆笑された事を思い出します。
余計惨めになったけどドイツ人笑わせたので満足でした。
(X-T1は大好きな良いカメラです)
そんなPhotokina2016で発表されたGFXでしたが、人だかりの向こうにちらりと見えただけでした。
こんなに間近に体験出来るのは嬉しいですね。
沖縄で展示品に触れる機会は、今のところ無いそうです。今生の別れが近いぜ。
大口径でも意外と小型軽量!質感高いGマウントフジノン
ボティと同時発売が3種類、年内にプラス3種類、都合6種類のラインナップが揃う見込みのGFXシステム。
今回の展示品は下記ラインナップ。マクロ以外を試しました。
- GF63mmF2.8 R WR (35mm換算50mm相当単焦点)
- GF120mmF4 R LM OIS WR Macro(35mm換算95mm相当単焦点ハーフマクロ)
- GF32-64mmF4 R LM WR (35mm換算25−51mm相当標準ズーム)
スペック詳細は製品ページを御覧ください。
手に触れると少しひんやりする合金鏡筒。Xマウントレンズに通じる質感の高さが、プロの道具としての信頼性を感じさせます。
絞り環を搭載したコンサバティブなデザインで、ボディに良く似合っています。
想像していたよりもコンパクトで軽いのが驚きでした。
Xマウントライクな操作性、だけじゃなくて完全にDSLRからの乗換狙ってる
主観含めて羅列してみます。
操作系各部。
- シャッター
ミラーレスならではのシャッターフィールで静かにスコンという感じ。安っぽくは無いけど官能性にはかける。とはいえミラーレス機とはそういうものです。 - 連写
秒間3コマ以内。被写体動かしながらのポートレートは辛いかも知れません。でもよく考えてみましょう。RAWで1枚120MB近くになる画像を秒間何コマも撮ってしまったら後処理で死ねませんか。私は絶対イヤです。 - 上部液晶
黒地に白文字、各種パラメーターが表示される。何だか「新時代感」が凄いです。かっけえ。PhaseOneの最新ボディーみたい。バックライトをつけると白黒が反転するイメージで日中屋外での視認性も良好です。 - 各部ボタン
X-T2から採用されたプッシュロックボタンを採用した感度&シャッタースピードダイヤルは使いやすく、各Fnボタンもホールド時から自然に指の届く範囲にあるので押しやすい。もちろん、各ボタンへの機能割当も楽ちんです。 - フォーカスレバー
フォーカスポイントを変えながら撮影をする族にとってはフォーカスレバーの存在それだけで正義。ただ、個人的にはレバーが若干小さいので指先に引っかかりにくいことも。サードパーティ製アクセサリの出番かも知れません。 - 液晶
タッチパネル採用の可動式。Apple製品のRetina液晶レベルの解像度で相当のデータサイズにも関わらず反応速度も上々。フリック、画像拡大が簡単。但しメニューはタッチ操作不可。クイックメニューのみ操作OK。 - メニューUI
X-Pro2以降のFUJI機共通のメニューデザイン。上部液晶の先進感とのギャップはありますが、APS-C機とメニュー構造が変わらないのはとても好感触。タッチパネル非対応なのは何故なのか分からず。ただ、タッチ対応になってもメニュー項目が細かすぎて指先で触れない可能性も。 - 重量感
「GFXと63mm単焦点」は「中級DSLR+純正ニッパチ標準ズーム」程度かそれ以下。想像してるより軽いです。 - ホールド
グリップは程よい分厚さと深さで、指掛かりが良くて疲れにくいのが好印象。積極的に手持ち撮影したくなるホールド感です。 - 縦位置
専用グリップカッコいい。電池1個を追加装備出来るのでロングドライブにも寄与します。9万円弱。。 - ダイヤル
Xマウント機同様、レンズの絞り環、シャッタースピードダイヤル、ISOダイヤルでの操作が基本。ところがレンズに「Cモード」なる物が追加されており、サブダイヤルとコマンドダイヤルでシャッタースピードと絞りを調整可能になる卍解状態に。DSLRユーザーもスムーズに乗り換えられまる。完全に「取り」に来てる感じがビンビンです。
唯一の弱点?AF速度に期待は禁物
最初の印象は「AF速いな!」だったのですが、条件によっては評価を改める場面も。
DSLRユーザーをはじめ位相差AFのスピードに慣れている人は、一旦冷静になる必要があるかも知れません。
- スピード
コントラストAFの為、明暗差が少ない被写体ではレンズが迷ってしまう。場面によっては歯がゆいことがあるかも知れない。ハイブリッドAF搭載のXマウント機の方が遥かに高速。 - 精度
全く問題ない。MFを組み合わせればAF合焦後に微調整OK。ピーキングも出来るので物撮り時も活躍しそう。 - 顔認識x瞳認識
それぞれのON・OFF(またはAUTO)で5種類の制御を組み合わせ可能。瞳AFは画面の半分以上が顔になった時に有効。精度は十分だけど、バストアップくらいで動作してくれればポートレートでも使いやすくなりそうです。 - 動体
検証出来ず。すみません!
高級機だってWi-Fi!プロ一眼レフメーカーの人、聞こえますかーー!
Wi-fi内蔵。これは本当に素晴らしいです。大歓迎。液晶もチルトだし利便性を軽視してない姿勢に凄く共感します。
どうしてDSLRのフラッグシップには載らないんでしょう。そもそも想定している用途に無いのかも知れません。「防塵防滴の構造上」とかなら分からないでも無いのですが。ちなみにGFXもマグネシウム合金+各部シーリングの防塵防滴仕様です。
USB3.0 マイクロB端子でテザー撮影OK。Adobe Lightroomでのテザー撮影に便利なプラグインが用意されるとのこと。Lightroomユーザー的にはありがたいですね。
HDMIミニ端子、DCインレット(ACアダプタ接続用)で長時間のスタジオ撮影でも安心です。
メモリーはSDカード2枚のダブルスロット。
広く普及しているSD規格を採用した事は歓迎すべきなのですが、個人的にはSDカードに対する物理的信頼性がかなり低いのです。
端子丸出しなのも、パンツ履いていないみたいでそわそわしませんか。
中判の性能を「フジの色」で使える魅力
正直、中判で5000万画素なら解像感に疑問が出ることはほぼ無いと思います。(もっと解像度が必要な場合、特殊な場合を除いて)
GFXとX-T1で撮影比較。同程度の画角と設定で撮影し、背面液晶の表示をiPhoneでキャプチャーしました。
データの持ち帰りができなかったので、すみません。こんな感じの比較です。
- X-T1 ワイド(27mm相当)
- GFX ワイド(25mm相当)
- SS:1/60, F/5.6, ISO800
画素数も違うのでどっちが良い悪いの比較にはなりません。
(そもそも背面液晶をキャプチャーなどという比較自体成立しませんが)
ズームのワイド端でもかなり解像するので、営業写真館さんなら集合写真等で活躍しそうです。
フジ機といえば色。
それを支える映像処理エンジンとフィルムシミュレーションが秀逸なのは広く知られていると思うのですが、それを中判で使えるのは必要以上にドキドキします。
中判ならではのダイナミックレンジでどんな階調で描かれるのか。会場展示の作例を見る限り、その期待は間違っていないと思います。
プリントしてなんぼだと思う「GFXの実力」
EPSONのドライミニラボ機のサンプル写真を見せてもらった際、渋い男性のポートレートが使われていました。(他社さんですみません)
それがもう、オーセンティックなライティングがドラマチックだし、ドライならではの画質も素晴らしいし、何と言っても解像感と階調がとんでもなかったんです。
A4サイズの写真でしたが、DSLRで撮った画像では無いと反射的に感じました。
すぐにどんなカメラを使っているのか伺うと、システムで数百万円を超える中判デジタルカメラの名前。中判の力を目の当たりにした瞬間でした。
中判の画は、プリントしてこそ真価を発揮するんだと実感しています。
会場に展示された作例は3枚。全て900×1200の印刷物です。
ちなみに、真ん中の作例は撮って出しとのこと。良い。
照明機材屋としての目線。ストロボはどうなんだろう
外部フラッシュで使える最高シャッタースピードは1/125秒。中判でフォーカルプレーンシャッターなので、仕方ない部分です。
レンズは77mm程度なので、フィルターワークがはかどります。手持ちのNDフィルター等が活用できるかもしれませんね。
シャッタースピード自体は1/4000秒まで切れます。
対応する純正クリップオンストロボを使えば、最高速でのFP発光(ハイスピードシンクロ)も可能とのことですので、可能性は広がります。
弊社取引先にもFUJI対応を呼びかけているところです。各社のライティングソリューションが出揃うまではもう少し時間がかかるかもしれませんが、大いに期待したいところです。
実際どうなの?買うの?
ひとまず、システムの最小構成で100万円だとします。
36回払いのローンを組んだとすると、1ヶ月当たり約28,000円。
1日当たり約900円
1秒当たりでは何と約0.01円で所持できる計算です。
ほぼ無料、の、ようなものでしょ。
冗談抜きにコマーシャルだけでなくて写真館さんでも導入したほうがいいレベルかも知れません。
今も昔も、お客さんに分かりやすい形(=大げさ感とか)で撮影するのはパフォーマンスでもありサービスでもあります。もちろん、技術があるのは大前提です。
頑張れば手の届く価格でこのような機種があることは、先の見通せない現代で短・中期的な計画を立てていく上で非常に心強い選択肢になると思います。
ほしいなー。その前に、自社スタジオでデモをしてみたいですね。
それから、CP+ではまともにじっくり触れないかもしれません。
今後も各地で体験会を行うそうなので、是非参加されてみてはいかがでしょうか。
下記リンクをご参考下さい。
Fujifilmご担当者、関係各位、ありがとうございました!
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