お客様からよくいただくご質問のひとつに、「ソフトボックスとアンブレラって何がどう違うの?」というものがあります。
※↑記事中のストロボ『DII-200』の後継機『DE-250』は近日発売予定(2023年8月ごろ)です。進化しているのでお楽しみに!
以前に上記記事でストロボでの両者比較をご紹介しましたが、今回はLEDライトで「光」と「影」の出方を試してみました。
今回のテストで使用するのは下記のLEDライトとなります。
■EFII-60 JINBEI 60W LEDライト
https://store.omnivas.jp/?mode=grp&gid=2126268
こちらのLEDライト『EFII-60』は60Wと省エネながらもけっこう明るいです。決して光源を直視しないでくださいね。
ちなみに『EFII-60』のアクセサリーマウント(ソフトボックスなど光質を変える道具[以降、アクセサリーと呼びます]を接続するライト前面の部分)は汎用性の高い「BOWENS/JINBEI/GODOX」となります。
この「BOWENS/JINBEI/GODOX」マウントは、特に海外製のLEDライトやストロボで多く採用されるタイプのもので、Amazonなどにもソフトボックスはもちろん、リフレクターやバーンドア(以下に登場します)といった数多くの種類のアクセサリーが販売されています。つまりは入手が容易、ということですね。
で、この「アクセサリーを自由に交換できる」ことが何を意味するかというと、
アクセサリーを交換することで、「光」と「影」の出方・見え方が違う
↓
「光」と「影」の出方・見え方が違うことで、異なる印象の写真になる
↓
異なる印象の写真になるということは、アクセサリーを変えることで被写体の性質・雰囲気に合わせた写真が撮れる
ということを意味しています。
言葉にするとややこしいので、さっそくですが以下にテスト撮影した結果をザザーっと掲載していきますね。
- <今回のテストメモ>
- カメラの色温度は基本的に5,500K固定で撮影しました。
- 異なる色の光が混じらないように、室内の天井照明は消灯して、ほぼ『EFII-60』の光のみで撮影しています(異なる色の光が混じると、正確な色が写真に反映されない)。
「アクセサリー無し」での撮影
アクセサリーを付けずに『EFII-60』のみの光で撮影
アクセサリーを使わずに『EFII-60』のみでの撮影です。以下に出てくるリフレクターやグリッドとも違う、ボヤケていないクッキリな影が出ました。晴天時の屋外でできる影に似ています。これはこれで使えそうですね。
『EFII-60』に付属の「リフレクター」での撮影
「アクセサリー無し」と比較すると、ウサギさんの顔の右側と左側の光量差が大きくなりました。陰影が強くなったようです。
「ソフトボックス」での撮影
『EFII-60』のセット品に付属するソフトボックスです。このソフトボックスはディフューザー(LEDの硬い光を拡散させる布:詳細はこちらから)が2枚あるので、影が非常に柔らかく、自然な印象に見えます。
「ソフトボックス」+「レフ板」での撮影
上記の「ソフトボックス」の反対側に手作りのレフ板を置いてみました。既に薄かった影がさらに薄くなりました。Amazon(今はYahoo!ショッピングもかな?)に出品する際、商品写真の背景が白でないといけないので、そのあたりに有効な撮影方法だと思います。
ちなみにレフ板は百均のスケッチブックでもとりあえずは良いと思います(厳密には白紙の材質によって反射する光の色温度が高くなったりするので注意)。本格的なレフ板を用意するのであれば、上記にあるような『5in1リフレクター』とかが有効です。
「ハニカムグリッド」での撮影
『EFII-60』に標準付属の「リフレクター」使用時よりも光が束ねられて、ウサギさんの顔の左右で光と影の強弱が更にハッキリと出るようになりました。カッコいい系の男性の横顔からこの光を当てることで、かなり陰影の強い、凄みのある写真になりそうです。なお角度違いの4枚セットになっていて、角度が小さくなるにつれ陰影が強くなってきます。
「白色アンブレラ」での撮影
『EFII-60』はLEDライトとしては珍しく、ストロボ用のアンブレラを使用できます。傘に反射させた光を被写体に当てるため、光量が落ちるかなと思いましたが、『EFII-60』の強い光量のおかげで意外と、というか普通にキレイな写真が撮れました。影も自然な感じです。
「銀色アンブレラ」での撮影
上の「白色アンブレラ」と比べると、ウサギさんの右顔と左顔の陰影差がクッキリと出ました。影も強めには出ていますが、フラットで陰影差がない光にくらべて印象的な写真に仕上がりそうです。人物や洋服に注目させたいモデル撮影、アパレル撮影に有効かと。
「透過型アンブレラ」での撮影
ちょっとめずらしいタイプの透過型アンブレラです。こちらは光を反射させるのではなく、スタジオ撮影でもよく使われる「トレーシングペーパー」を介して被写体に光を当てるあの方法に近いかな。これもまた影も柔らかく、自然な印象の写真になりました。
「ランタンボックス」での撮影
こちらは更に変わり種のバルーン型ランタンボックス。ボックスの中でLEDライトを光らせることで、360度(というのかな?)、あらゆる方向に光が拡散されます。そのあらゆる方向の壁などから反射して戻ってきた光が四方八方から被写体に当たって、結果的に影の薄い写真となりました。なかなか自然な仕上がりで好印象です。
「バーンドアキット+カラーフィルター」での撮影
『18cmリフレクター用バーンドアキット』はグリッドに加え、4辺についてる板によって光の向きをコントロールすることができます。バーンドアの板をすぼめることで、スヌート的な使い方もできます。
また被写体の背景に色付きの光を当てることで、下記のように写真の印象をグググッとドラマチックにしたりも。
とこんな感じの結果となりました。
「光」と「影」の出方・見え方で写真の雰囲気がかなり変わってくるのがお分かりいただけたのではないでしょうか?
つまりは、同じLEDライトやストロボを使うとしても、使用するアクセサリーによって写真のイメージがかなーり変わるはずです。
そんな訳でお仕事やご趣味でも、お写真を撮られる方はぜひ被写体に合ったアクセサリーをお選びくださいませ。
また、「こんな写真が撮りたい」、「うまく撮れない」、「どういう機材が必要なの?」といった疑問・質問がありましたら、どうぞお気軽にお問合せを!
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