ストロボ光は極めて明るい上に、直射日光のように直線的で強烈です。
なので、多くの場合アクセサリを使って光を変化させます。
(太陽光をイメージした作例では、わざと生光を使う場合もあります)
変化のさせ方は「直射」「反射」で大別でき、これらに「集光」「拡散」などのオプションが組み合わされます。
さらに照射方向や距離なども加わると、パターンは無限にあると言っても過言ではありません。
今回は、両タイプでもっともベーシックな直射拡散タイプの「ソフトボックス」と反射タイプの「アンブレラ(傘)」の違いをご紹介します。
ヘアサロンにも人気の「DE-250 JINBEI デイリーストロボ 250Ws」を使って作例を撮影しました。
壁、床、天井3面白の空間
- カメラボディ(Nikon D810)
- レンズ(85mm f/1.8)
- 三脚
- DE-250 JINBEI デイリーストロボ 250Ws 1灯
- SB-DE5070 ストロボDIIシリーズ用ソフトボックス 50×70cm 1つ
- 80cm 撮影用アンブレラ(白) 1つ
- JINBEI ライトスタンドM(220cm) 1本
- ST-3X 3股ホットシューアダプター(JINBEI) 1つ
DE-250シリーズには、ライトスタンドとソフトボックスかアンブレラのセット商品があります。単品で揃えるより少しお得ですよ!
比較的安価で画も綺麗な、開放f値が小さい85mmの単焦点レンズを選びました。撮影スペースが小さい場所では50mm程度(APS-Cの場合は35mm前後)が使いやすいと思います。
ストロボの発光タイミングをカメラのシャッターと同調させるため、ストロボ付属のシンクロケーブルを使います。カメラ側にはホットシューアダプターを装着しシンクロケーブルを接続しました。
「被写体との距離」:三脚やライトスタンドの軸とモデルの中心軸の直線距離。
「フラッシュ高さ」:地面からライトスタンドとフラッシュの接合部(ダボ)頂点までの直線距離。
「フラッシュの角度(ティルト)」:首の上下の方向。上方向を「仰角」下方向を「俯角」で表示。
「フラッシュの角度(パン)」:首の左右の方向。被写体を中心とした時計盤を想定し、光源の方角を「時」で表示。
ソフトボックス作例
光を拡散(柔らかく)するための紗幕(ディフューザー)を内外に2枚使っており、やさしい光ですが陰影がはっきりした仕上がりになりました。
色温度も高めで、少しクールなイメージになりました。背景の明るさに注目してください。
この撮影例の設定テキストをご紹介します。
- シャッタースピード(SS):1/125秒
- 絞り(f):f/5.0
- 感度(ISO):ISO100
- ホワイトバランス(WB):AUTO(5800K)
- 焦点距離:85mm
- 被写体との距離:230cm
- カメラ高さ:120cm(被写体胸の高さ)
- 出力:1/8
- 距離(対被写体):120cm
- 角度(ティルト):俯角20〜30度
- 角度(パン):7〜8時の位置
- 高さ:175cm
- ディフューズ:インナー&アウター各1枚
Point
光の中心は被写体に直接当てない。
アンブレラ作例
ソフトボックスに比べ、明るい印象です。背景にも光が当たっており柔らかい印象になりました。
この撮影例の設定テキストをご紹介します。
ダイアグラムはソフトボックスとほぼ同じです。
- シャッタースピード(SS):1/125秒
- 絞り(f):f/5.0
- 感度(ISO):ISO100
- ホワイトバランス(WB):AUTO(5800K)
- 焦点距離:85mm
- 被写体との距離:230cm
- カメラ高さ:120cm(被写体胸の高さ)
- 出力:1/8 (SB使用時より光量を倍にしています。)
- 距離(対被写体):120cm
- 角度(ティルト):俯角20〜30度
- 角度(パン):7〜8時の方向
- 高さ:175cm
Point
光の中心は被写体に直接当てない
並べて比較~ソフトボックスVSアンブレラ~ライティング
DE-250の専用ソフトボックスは、光を柔らかく均一に拡散させる紗幕(ディフューザー)を中と外に2枚使える仕様になっています。
この為、光質自体は広がりのある使いやすいものなりますが、基本的には直射光のため、柔らかくも割と芯がある描写になりました。
光の向きもコントロールしやすく、背景の明るさを調整しやすいことがメリットのひとつです。
一方、アンブレラ(白)は反射光であるが故に光量のロスが大きかったので、SB同等の明るさを確保するためにフラッシュの出力を倍(1段UP=1/8から1/4)にしました。
一度傘に反射させた光は、被写体を柔らかく照らすムラの少ない光になり、背景も程よく照らしてくれます。
(反射面が銀の傘は、全く別の表現になりますので、機会があればまた・・)
ライティングアクセサリは撮影意図によって使い分ける物なので優劣をつける事は出来ませんが、この作例を基にひとつの目安を示すとすれば、
拡散光の広がりと柔らかさ=アンブレラ(白)
と言ってしまっていい(かも知れません・・)
重ねて言いますが、作例構成での傾向を基に考察した目安ですので、決して優劣ではありませんのであしからず・・
機材を揃えれば作例再現も可能です!
「あくまで目安です!」と予防線を張りまくりですが、カメラやレンズの設定、照明機材の出力や位置・角度まで公開しております。
よって、現在販売中のデジタル一眼レフカメラなら、同じ照明機材で同じセッティングをすれば再現可能です。 ※個人差有
「どんな写真を撮りたいか」が、機材セレクト第一歩になると思います。
フラッシュの数を増やせばもっといろんな表現が可能ですが、1灯でも十分に良い雰囲気の写真が撮影できます。
まず1灯、安価な機材でぜひお試しください!
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