【モデル撮影】1灯で変化を作る!ライティング比較【迷ったときに見返したい】

数年前に行った、ライティングのワークショップ。好評だったんですが、資料作りやなにやらで疲れ果ててしまい、二度と開催される事はありませんでした。店長の根性なし!

モデルさんをスタジオにお呼びして、参加者の皆さんで撮影をしていくスタイル。またやりたいなーと思いながら、数年が経過しました。店長の根性なし!

さて、そんなワークショップでお話していた内容を、少しかいつまんでご紹介したいと思います。定番のことなので知っている方は横目に、知らない方は是非参考にしていただき、お手持ちの機材でお試しくださいね。

大定番のLED、同じ1灯でも何がちがう?

メイン光源の位置、モデルの顔の向きによって変わるライティングを示したものです。すべて、EF-60(現在はEFII-60)にリフレクターを装着した状態でライティングしています。下に並ぶ画像が上の画像のライティングの状態です。

撮影設定:全てISO400、1/60秒、f6.4で撮影

向かって左真横からの光

斜め上方45度から見下ろす光

ほぼ正面、カメラ側からの光

光の位置、向き、で結構変わりますよね。モデルさんのポージング次第で光の当たる部分(ハイライト)が変わるので、本当に果てしないバリエーションがあります。

これだけで変わる!光の向きをちょっと変えてみる

さて、同じリフレクターを使って次のテストです。ライトの位置は同じで、横方向に振ってみました。
(正対位置で無いために、水平ズレて見えてしまっています。あしからず・・)

向かって左奥の壁に照射

向かって右奥の壁に照射

ほぼ真横に向かって照射

 

光の軸(光軸)を、モデルさんの鼻先をかすめるようにライティングすると、テカリの少ない緩やかな光になります。私は「漏れた光」と、あまり美しくない表現をするのですが、フェザーライトと呼ばれるようです。リフレクターだと集光効果が高すぎて暗くなりすぎるのですが、ソフトボックスなどのアクセサリを使う場合には多用される手法だと思います。是非試してみてください!

効果絶大なレフ板(カポック)

「レフ板」といえば、屋外撮影でよく出番がありますが、スタジオでもじゃんじゃん使います。人物撮影だけでなく、商品撮影にも使いますし、サイズや材質も色々。光を反射させるというよりは、「写り込ませる」という感覚で使うと効果的かと思います。一体どれだけ変わるのか、ご覧ください。

撮影設定:全てISO400、1/60秒、f6.4で撮影

レフ板無し

レフ板あり

LEDライトにリフレクターをつけた1灯ライティングです。先述の「フェザーライト」を意識して、モデルさんには直接光を当てず、かすめるようなライティングをしています。どちらかというと、右手に見えるレフ板(カポック)に向けて光を当てているようなライティングです。照明が直接当たっていないモデルさんの左半身が、全体的に明るくなりました。

今回はテスト出来なかったのですが、白の変わりに「黒のカポック」を使うと、レフ板無しのときよりも左半身が暗くなります。「黒締め」と呼ばれる物撮りなどで使われる手法で、黒を写り込ませることでエッジを際立たせる事が出来ます。

ちなみに、作例で使っているカポックは大判の発泡スチロールを塗装し、つなぎ合わせたもの。もう少しだけ詳しく解説したブログが合ったので、よろしければご参考ください!

アクセサリで変わる光の質

次は、同じLEDを使ったテストで3種類の光を作ってみます。

まず1つは、前項で使ったリフレクター。リフレクターはお釜のような形をした金属製のアクセサリで、光を集光する効果があります。集光する分、光量は大きくなります。今回は被写体に直接照射する「直射光」として利用しました。

もう一つはソフトボックス(バンクとも呼ぶ商品もあります)。内側に銀の反射素材が貼られたテント型のファブリックで、開口部にディフューザー(白い布)を被せて使います。ボックスの中で乱反射した光が、ディフューザーを通して照射される「拡散光」なので非常にソフトな光質に変化します。アクセサリを付けない状態よりもやや光量は落ちます。

最後の一つはアンブレラ(傘)。文字通り、傘です。傘に光を当てて、跳ね返った光を被写体に照射する「反射光」。撮影用なので反射面の色や形で個性が出ます。白は拡散、銀は集光効果が得られます。当店ではどちらの色も取り扱っていますが、よくお求めいただくのは「反射面が白」のアンブレラです。収納、撤収もワンタッチなので、ロケ撮影でも重宝する便利なアクセサリです。

上記3つのアクセサリを使って光の質を見てみましょう。なお、ライトスタンドの設置位置を変えない場合、アンブレラの発光面(傘の内側)は被写体から遠いところになり、ソフトボックスの発光面は被写体に近くなります。このテストでは、発光面と被写体の距離が一緒になることを重視して、ソフトボックスとアンブレラの位置を僅かにずらしています。(リフレクターの設置位置が違って見えますが、現場写真抑える都合でこうなりました・・すみません)

撮影設定:全てISO400、1/60秒、f6.4で撮影

リフレクター 直射光

ソフトボックス 拡散光

アンブレラ 反射光

 

 

さて、明るさ、モデルさんの背景に伸びる影、モデルさんのハイライトの強さ、背景の明るさ、色味などが変わっている事が分かります。現行品ではないので、それぞれのアクセサリにおける性質のようなものだと捉えていただければ幸いです。

  • 最もハイライトが強く、影も濃いのはリフレクターですね。
  • ソフトボックスは全体的に光量が落ちていますが、ハイライトと影のつなぎ目が優しくなっていると思います。
  • アンブレラは最も光量が落ちていますが、1段ほど増感(感度を800にする)と、背景にもしっかり光が回っている事が分かります。

私達なりに纏めると、以下のような使い分けが出来そうです。

  • アクセサリ使い分けのヒント
  • 光量UPと強烈な光を当てたい→リフレクター
  • ソフトな光の向きをコントロールしたい→ソフトボックス
  • 全体的に光を回したい。収納に便利→アンブレラ

光の効果を掴むなら、まずは1灯から挑戦!

「1灯ライティング、結構出来ること多いなあ」と記事を書きながら、改めて思いました。少しライティングに行き詰まったときには、1灯に戻るのはありですね。結局、メインの光をどうするかというところが撮影の肝かと思います。メインの光が自然光というパターンもありますので、これは中々果てしない沼であることは間違いありません。

今回はLEDを用いたテストでしたが、ストロボでの撮影も基本的には共通です。
以下、関連ブログですので、ぜひ色々お試しいただければと思います。終売になっている商品での撮影は、後継機をご案内しておりますので、そちらも併せてご確認下さい!





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