本ページに記載のLEDライト『EF-60』は完売いたしました。後継機は光量、色温度、演色指数、マウントが更に改善された『EFII-60』となり、『EF-60』同等以上にご使用いただけます。
「あの有名人みたいなプロフィール写真を撮って欲しい」
こんにちは、機材屋オムニバスの店長です。
旧友からの無茶振りはいつも突然です。
お笑い芸人としてのキャリアを持ちながらアート方面での活躍が目覚ましい、「おもしろ絵本作家」という方のプロフィール写真。
そんな感じのを撮りたいとの事でした。
彼は地元で媒体制作の事業を行っているため、オフィスには撮影用の蛍光灯ライトがありました。それらを使った簡易的なセットで撮影を敢行。何とか「それっぽい」仕上がりになり、満足してもらえたのでほっとしました。
その後、撮り方やセッティングについて聞かれたので、せっかくなのでまとめてみます。
手軽に真似できるライティング
自社スタジオに戻り、早速準備。
手前どもは機材屋なので自社製品を使うことにしました。機材選定のポイントは「真似しやすく手軽」であることです。具体的には下記の3点を条件にしました。
- 定常光を利用
- 光源は1つ(1灯ライティング)
- やろうと思えばスマホでも撮れる
ちなみにこれらの条件さえ満たせば、お手持ちの機材でもライトの配置を真似していただくだけでライティングが完成します。
カメラ設定はライトの明るさによって変わるので、色々試してみてください。
機材選定、結局LEDに落ち着く
撮影用の照明機材には「定常光」と「瞬間光」があります。
違いについては別記事にて解説予定ですので、そちらをご参考ください。
今回は定常光を選択したので、あとは「蛍光灯タイプ」にするか「LEDタイプ」にするかの絞り込みです。
蛍光灯ライトのFloraシリーズは、弊社創立当初からの主力アイテムで、大光量と簡単組み立てが特徴のUSAデザインが自慢です。
しかし大光量な分、蛍光管も大きくて相応の熱を持ちやすく、電球を割ってしまうなどのリスクもありました。
今年からラインナップに加わった「EF-60」は、Flora相当の光量を誇りながらFloraの弱点をカバーするLEDライトです。
専用のマウントにはなりますが、角型か八角形のソフトボックスを選べるので、Floraが苦手としていた映り込みのある商品撮影などにも使えるようになりました。
高輝度、低発熱、軽量、無段階調光など、基本性能や使い勝手も向上しています。
LEDをPRしなさい!という事ですので今回はEF-60、LEDライトを採用しました。詳しい特徴等はこちらから御覧ください。
さて、1灯ライティングではライトが当たっていないところが影になります。
重厚感が出てかっこいいですが、本家では少し影を抑えていました。それに習い「レフ板」を用意しました。
最終的な機材は次の通りとなりました
【使用機材】
イケメン確保!撮影スタート!
「うどん県副知事」に立候補できそうな友人にモデルとして協力依頼。
先に完成形を御覧いただきましょう。
撮影のポイント!【ライト編】
当店スタジオは壁も天井も真っ白です。
光が乱反射しまくるので、暗くしたいところも明るくなってしまうことが多々あります。
黒い背景を用意するのが少しアレでしたので、できるだけ被写体だけに光が当たるようなライティングを心がけます。
- 被写体と後ろの壁を離す
→ 背景に光が届かなくなり、暗くなります。 - 被写体の横から至近距離で光を当てる(サイド光)
→ 被写体の半身だけに光を当てると同時に、背景に光が漏れなくなります。 - ライトとレフ板で被写体を挟む
→ 暗くなりすぎる半身を、反射光で少しだけ明るくします。
※室内の明かり、外からの光は完全にシャットアウトしましょう!
なお、普通に室内で撮影する場合、黒い背景を用意できれば被写体と背景の距離は近くてもOKです。(それでも50cm以上は離した方が吉)
真っ黒じゃなくても、暗い濃ゆめの背景であれば撮りやすいと思います。
EF-60の出力は80%程。出力調整つまみは15時を指していました。
せっかくの定常光なので、光の当たり方を見ながらライトの位置やレフ板の位置を探ってみるのもいいと思います。
撮影のポイント!【カメラ編】
LEDライトの出力は8割程度ですが、カメラ側の設定は下記のとおりとしています。
LEDが大光量なので、結構余裕のある設定で撮れました。
- シャッタースピード(SS):1/180秒
- 絞り(f):f/4.0
- 感度(ISO):ISO400
- ホワイトバランス(WB):AUTO
- 焦点距離:55mm(35mm換算82.5mm)
もし開放F値が2.0などのレンズをお持ちで開放で撮る場合、下記の設定にすると同じ露出で撮影できます。
- 感度を落とすパターン = ISO:100、F/2.0、SS:1/180秒
- シャッタースピードを速くするパターン = ISO:400、F/2.0、SS:1/720
※1/720秒に設定出来る機種は無いと思うので、1/500秒とか1/640秒くらいで近似すると思います。
レンズの焦点距離は中~望遠側で撮るといい感じです。
50mm~85mmくらいが良いのでは無いでしょうか。(35mm換算)
ズームレンズをお持ちであれば、しっくりくる焦点距離を探してみてください。
撮影のポイント!【スマホ編】
定常光の特性を活かして、iPhoneで撮ってみました。(純正アプリでモノクロに変更)
標準のカメラは「自動で暗いものを明るく写す設定にする」ので、明るく写る場合があります。
その場合は、画面をタッチして「太陽マーク」を出し、そのマークを掴んで下げてみてください。暗くなると思います(iPhoneの場合)
解像感は申し分有りませんね。そりゃコンデジが売れなk・・なんでもないです。ただ、標準のレンズがワイドレンズなのでお顔が歪んでしまっています。好みによりますが、光学望遠で撮ったほうがシュッとしすると思います。
一番それっぽく写すためには
これを言ったらおしまいな話をします。
ずばり「モノクロで撮る」事です。
光と影の表現になるモノクロ写真は、本来すごく難しいのでなんでもモノクロというわけではありません。しかし、今回のように陰影が強調されたライティングだと、それだけで随分いい感じになります。
カラーで撮って後処理でもOKです。今回の作例はカメラのモノクロモードで撮影しました。
このような1灯ライティングは渋めに写るので古くから男性のプロフィール写真などで使われています。(もちろん、アクセントに数灯使う場合もあります)
そのベーシックな手法を一般の人に注目させるなんて、さすがの影響力。
比較的簡単に出来るので、ぜひ皆さんお試しください!
コメントフォーム